日本茶 加工場見学 ~緑茶の荒茶加工の大まかな流れ~
- 狭山茶農家 ささら屋
- 2022年8月28日
- 読了時間: 9分
更新日:2023年12月11日
1.はじめに
皆さんが日頃から飲んでいる『お茶』。
ご認識の通りかもしれませんが、お茶は『農作物』でありつつ、皆さんのもとに届くお茶はそのすべてが『加工品』です。ペットボトルであれ、茶葉であれ、ティーバッグのお茶であれ、どれも摘み取ったままの茶葉ではないわけです。
しかし、その加工工程については、あまり知られていません。
例えば、日本茶の茶葉はまず『荒茶(あらちゃ)』というある程度の保存が可能な状態に加工され、その後に仕上げ加工を経て『製品茶』として皆さんのもとに届けられるのですが、この荒茶⇒製品茶というステップも、あまり意識することはないのではないでしょうか。

そこで今回はまず、狭山茶農家 ささら屋が行っている荒茶の加工工程※について、大まかな流れをご紹介したいと思います。
お茶農家や各地の組合、茶商さん・茶師さんによって、使っている機械や加工の工程、そのこだわりには個性がありますので、今回の記事はあくまで一例としてご覧頂けたなら幸いです。
それでは、『ささら屋のお茶が皆さんのお手元に届くまで』の過程を、工場見学感覚でご覧ください!
※狭山茶農家 ささら屋としては加工場を保有しておらず、お世話になっている農家様に加工場をお借りして作業をしております。
2.荒茶加工の工程
①摘み取った茶葉の待機場所 ~コンテナ保管~
摘み取ったばかりの茶葉のことを、生葉(なまは)と呼びます。
この生葉、実は摘み取られた瞬間から萎凋(いちょう)※1が進み、熱を帯びます。茶葉がたくさんたまっている所に手を突っ込むと、「熱い!」とびっくりするほど。

しかし、このまま熱を持たせたまま萎凋を進めてしまうと、本来作りたいお茶の風味が出せなかったり、最悪の場合は葉っぱが傷んで出来上がったお茶の水色が赤みを帯びてしまったり※2、皆さんに届けたい良いお茶を作ることが難しくなります。
そこで、摘み取った生葉が過剰な熱を帯びないよう、茶葉は袋から出された後、コンベアを登り、解きほぐされながら大きなコンテナへと落とし込まれます。
このコンテナは底面が網目状になっており、その網目を通して下から風を吹き上げて茶葉の熱を冷ます機能を持っています。
摘み取られた後の生葉たちは、このコンテナの中で風を受けながら、その後の殺青(さっせい)工程に入るのを今か今かと待つことになるのです。
※1:萎凋とは、簡単に言うと葉っぱがしおれること。茶葉の場合、この萎凋が一定以上進むと、できあがったお茶は独特の花の蜜のような甘い香り(萎凋香 – いちょうか と言います)を持つようになります。
※2:『葉傷み(はいたみ)』と呼んでいます。水の色が赤みを帯びるだけでなく、独特の『葉傷み臭』が出ることもあります。
②生葉の酵素の働きを止める ~醗酵止め工程~
コンテナで保管されていた茶葉が最初に通る加工機械は、あつい蒸気吹き出す『蒸し機』です。

収穫した茶葉をなぜ最初に蒸すのか?
その答えは「茶葉の持つ酸化酵素の働きを止めるため」となります。
ご存じの方も多いかもしれませんが、茶葉はその細胞の中に酸化酵素を持っています。
これが、摘み取りの際についた細かな傷などから出てきて、自然と茶葉の醗酵を進めるのです。
因みに、この醗酵を最後まで行えば紅茶、途中まで進めれば烏龍茶(半発酵茶)となります(詳しくは『緑茶に紅茶にウーロン茶。何が違うの?』の記事をご覧ください)。
さて、話を戻しますが、この酵素の働きを止める工程は殺青(さっせい)と言って、その後の茶葉の仕上がりを決める非常に重要な工程となります。
どのくらいの時間蒸すのか、その長さによって浅蒸し茶、中蒸し茶、深蒸し茶、特蒸し茶※3とお茶の名称も変わってきます。
他方、単純に時間だけで判断して、すべての茶葉を同じ時間で蒸せば同じようなお茶になるかというとそれもまた違う。その年の茶葉の葉肉の厚さ、水分含有量、茎(節)の長さなど、色々な状態を勘案してその茶葉に適した蒸し時間を決めていきます。


蒸し時間1つとっても、その農家の『作りたいお茶』の方向性が見えてきたりします。
※3:浅蒸し⇒特蒸しに向かって、この殺青工程での蒸し時間が長くなり、茶葉は細かく、コクと濁りのあるお茶になります。おおよそですが、浅蒸しのものは10秒程度、深蒸しのものは100秒以上、蒸気の熱で加熱します。蒸気で熱を加えるのは、熱伝導の効率が良く、ムラができにくいなどの理由があります。
③強く揉み込み、水分を押し出す ~粗揉(そじゅう)工程~
蒸し機を通過した後、茶葉は粗揉機(そじゅうき)という機械に流れていきます。

粗揉機では、まず大まかに茶葉の水分を取り除き、次の工程のために少しだけ茶葉がまとまる状態を作っていきます。
ささら屋でお世話になっている農家さんの加工場では、この粗揉機を2台かけるのですが、2台とも茶葉を揉み込むためのアームと、茶葉を持ち上げては落とし、水分を飛ばしやすくする葉ぶるいのアームの2種類がついています。
約100度の熱風を送りながら、茶葉自体の温度は人肌に保って揉み込んでいくこの工程。
揉み終わりの状態の良否が次の揉捻の工程に強く影響するため、動いている機械の中に手を突っ込んで茶葉を取り、手触り・水分の感じを確認して風量(茶葉の温度を変える)・アームの回転数(揉み込む強さを変える)を調整し、理想の状態に近づけていきます。
ここも機械のメーター値※4を参考にする側面もありますが、機械の示す数値だけを頼りにしてはうまくいかないことが多いです。

私たちがお世話になっている農家さんの教えでは、次の揉捻工程の時に揉み込む茶葉がうわ滑りしないよう、掌の中で転がして茶葉がぬるぬると滑らないくらいになったら次の工程に移る、というのを目安にしています。
※4:水分含有率や茶葉の温度、粗揉機にかけている時間など
④茶葉内の水分を均一に ~揉捻(じゅうねん)工程~
お次は揉捻機(じゅうねんき)と言われる機械です。
ある程度水分が飛んだ茶葉に上から負荷をかけながら、お団子を転がすようにして揉み込んでいきます。
イメージとしては、真ん中に巨大な茶葉団子があり、その周辺が崩れて揉まれて、またお団子に取り込まれていく、といった感じです。
この工程の目的の1つは、茶葉に含まれる水分量を全体的に均一にしていくこと。
茶葉の水分量に偏りがあると、「茎などの水分量の多い部分は乾燥しない」「でも新芽の先などの薄い部分は乾燥しすぎる」といった状態となり、いいお茶にならないのです。
特に、揉捻以降の工程は、いよいよ荒茶の完成に向けた最後の仕上げ。
茶葉の水分含有量もかなり下がっているため、水分量のちょっとしたばらつきが、乾燥工程での大きなムラにつながり、できあがりのお茶の品質を左右します。
単調ながら重要なこの揉捻をしっかり行うことで、次の工程以降、茶葉が均一に乾燥されるよう準備が整うのです。

⑤固まった茶葉をほぐして仕上げ準備 ~中揉(ちゅうじゅう)工程~
お次は、中揉み機からの中揉機です。
中揉み機は粗揉機と機械の作りが似ているのですが、主な目的は玉解き(たまとき)。
揉捻の工程で塊になってしまった茶葉をほぐしてほどいて、主に茶葉の表面に出てきた水分を飛ばしていく工程となります。この際、揉捻工程で茶葉が一度冷えてしまっているため、もう一度茶葉の温度を人肌程度まで上げるために最初は少し強めに熱風を送るなど、少し細かな調整が重要になります。
ここまできた段階で、「最後の工程である精揉機にかける際にどのくらいの水分量を残すのか」を手触りと感覚で丁寧に確認しながら進めていきます。
そして、中揉み機の次に通るのが、中揉機。
ドラムロールの中には熱風であおられる茶葉が入っています。

中揉みでほぐされた茶葉が、いわば最終工程前の最後の乾燥を施される工程です。
「ぎゅっと握って、周辺がほろほろと崩れるくらい」
の多すぎず・少なすぎずの理想の水分残量になるよう、これまた機械の中に手を突っ込んで状態を確認し、取り出しのタイミングを見極めていきます。
ここで茶葉水分量を少なくしすぎると、次の精揉工程で茶葉が早く乾燥しすぎてしまい、均一に揉めず、悪い場合は茶葉が細かく砕けてしまうなど形が悪くなってしまうため、手触り、感覚で茶葉の様子を見て、出すタイミングを見極めるのが非常に重要となります。
⑥荒茶製造のクライマックス ~精揉(せいじゅう)工程~
こちらが、荒茶づくりの仕上げとなる精揉を行う精揉機です。
この工程では、およそ1時間の時間をかけて茶葉を揉み込み、茶葉の形を整えていきます。
時間の経過ごとに取り付けられた重りの位置が変わり、揉み込む強さが変化していく仕組みで、まずは揉みながら茶葉を温め、次いでしっかりと圧をかけて形を整え、終盤は徐々に弱めに揉んでいって、最終的に光沢感のある茶葉に仕上げていきます。
先ほども書きましたが、この工程の早い段階で水分が失われすぎると、茶葉の表面が傷つき、形も崩れてよいお茶にはなりません。
適度な水分量を維持しつつ、最後の最後に光沢感をもたらたす仕上がりを目指す。
茶葉の状態によって、水分が逃げすぎないように細かな対応を行いながら、人の目・人の手でしっかり仕上げていきます。
⑦最後にきちんと乾かして、荒茶完成 ~乾燥機~
精揉まで終われば、これでほぼほぼ加工は完了。
乾燥機にしっかりとかけて、中長期に保存ができるように水分含有量をさらに落とせば、荒(あらちゃ)の完成です。


しかし、まだこの時点では茶葉には茎やダマ、葉柄が大きすぎる頭茶(あたまちゃ)やケバと呼ばれる部分などが含まれており、荒茶はどこかざっぱくな状態です。
ですので、ここから荒茶を篩(ふるい)にかけ、しっかりと製品茶の状態へと仕上げていく必要があります。
この仕上げ加工については、また別途、大まかな流れをご説明していきますので、もう少々お待ちください。
余談ですが、狭山のエリアの自園・自製・自販文化のように仕上げ加工までを農家が行い、自ら販売をしていくこともありますが、この荒茶の状態で各お茶問屋さんや茶商さんのもとに出荷され、茶商さんたちの目利きで色々な荒茶が混ぜ合わせられ※6、色・香り・味のバランスの取れた仕上げ茶への加工されていくことも多いです。
※6:茶葉を混ぜ合わせることを、合組(ごうぐみ)と言います
3.おわりに
さて、ここまでが荒茶の加工工程のおおまかなご説明となります。
ここまでだけでも、意外と出てくる機械も工程数も多いと思われた方もいるのではないでしょうか?
古くは人の手で行っていたお茶づくり。
その繊細さを機械で大量生産できる形で再現しようとすると、これだけいろいろな機械や工程を行わなければならなくなるわけですね。
畑仕事はもちろん、意外とお茶づくりって手間暇かかっているわけです。
ぜひ、そんな加工の工程にも思いをはせながら、お茶を楽しんでみてくださいね。
心安らぐひとときを 一杯の日本茶とともに。
それでは、また。
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