お茶も農作物である以上、当然年度によってその個性に違いがあります。
★前段のご説明記事はコチラ
今回は狭山茶農家 ささら屋2021年度茶の個性のご紹介第1弾として、『のどか』としてシングルオリジンでお届けしている「やぶきた」品種の個性をご紹介したいと思います。
まず、今年の『のどか』の個性をひと言でいうと、
「例年よりもあまみの強い、やさしい味」
に仕立て上がっています!
今年は、春先早くに暖かくなったため、やぶきた品種は比較的早く芽が出できました。
しかし、その後の寒さで伸びが鈍化。芽の出揃いが遅くなったため、葉と葉の間の茎が長めになっていました(こうなると、下の方の葉が硬くなりやすい)。
また、収穫日当日の気温が高かったこともあって、やぶきたそのものの品種の香りよりもどこか萎凋(いちょう)※1された甘い香りがするお茶になりやすい状態でした。
※1萎凋:摘み取った茶葉を荒茶※2に加工する前に、少し茶葉がしおれたようになることを言います。こうなると、良くも悪くも花の蜜のようなフローラルな甘い香り(萎凋香と言います)が立ち上るお茶になります。
※2荒茶:摘み取った茶葉(生葉)を上記の熱で加熱して酵素の働きを止め、揉捻・乾燥工程を経て保存可能な状態にしたお茶。多くの場合、この荒茶の状態から、風選、色選、火入れなどの仕上げ加工を行います。
荒茶の時点では少しこの萎凋香と甘さが強すぎる印象になっていた今年のやぶきた。
そこで、今回は仕上げ加工の最後の乾燥を行う工程(火入れ)でこの萎凋によるフローラルな香りを少し飛ばし、和紙を使った火入れ器をお借りしてじっくりと熱を加え、『やぶきた品種の香りと味わい』を引き出す仕立て上げを目指しました。
結果、荒茶の状態で出ていた萎凋香はほどよく残り、火入れによって引き立てられた品種の甘みが引き出された、例年よりも「あまみの強い、やさしい味」に落ち着いたのです。
自分達でも2019年度、2020年度のお茶と飲み比べてみたのですが、その「やさしいマイルドな味わい」は一番かなぁという印象の今年の『のどか』。
今まで一度『のどか』を飲んで下さったことのある方もない方も、ぜひ一度2021年度の『のどか』をお試し頂ければ幸いです!
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