うぃーん、
うぃーん、
ばりばりばりばり。
ばりばりばりばり、うぃんうぃん。
――時は3月後半。
狭山の地では、そんな機械音がそこかしこで響きはじめます。
そう、狭山茶の畑での農作業はこの3月中旬からいよいよ本格化していくのです!
「えっ、でも茶摘みの季節って5月のイメージ…!」
そうですよね、僕もささら屋に入るまでは
「5月に伸びた新芽を摘むだけでしょ?楽勝楽勝~♪」
なんて思ってました。
…しかし!
お茶の仕事は、実は冬が終わるとす~ぐに本格的にはじまるのです…!
頑張って緑をたやさず冬を乗りこえてくれたお茶の樹。
少し茶色がかったその葉っぱが、冬の厳しい寒さを物語ります(あぁ、健気…泣)。
で、そんな冬を乗りこえたお茶の樹に、まずはご褒美とばかりに肥料を与えるのが3月上旬から3月中旬のこと。
越冬で使いきってしまったパワーをもう一度たくわえてもらうワケですね。
さぁ、それではここでクエスチョンです。
お茶畑への施肥(せひ。肥料をあげること)はどのような機材で、どうやって行うでしょうか??
普通の野菜の畑とはちょ~っとちがうんですね。
まず、茶畑に肥料をまくときは、このような機材を使います!
どこかで見たことがあるような…。
そう思った方も多いでしょう。見た目にもわかりやすく、そして仕組みもそのまんま、校庭に白線を引いたあのラインカーと同じ原理の道具を使うのです!
学生時代の部活で鳴らしたライン引きの技術がまさかこんなところで生きるとは!
人生何が役に立つかわかりませんね、むふふ。
あとは、お茶の樹の畝(うね)と畝の間をこのラインカーを押して歩いて、肥料をまくと。
あら簡単。
そう、簡単なんですが、結構な広さの茶畑をこの道具を押して歩きまわるのは実はとても大変な作業。
施肥の仕事ひとつ取っても、農家の皆さんは大変に苦労して野菜を育ててくれているんですねぇ。
野菜も残さず大事にたべよって思います。
さて、こうして肥料をまいてお茶の樹に栄養を蓄えてもらったら、3月後半次なる準備作業に入ります!
(三月後半、『いざ、春整枝!』に続く)
▼新米茶農家のざつがく▼
1:お茶の樹に与える肥料について
肥料は時期によって、土の状態によって、目的によって与えるものが変わります。
元気のない樹に活力を与えるための窒素・リン酸・カリを豊富に含むもの、
新芽の発育をよくするために与える『芽出し剤』と呼ばれるもの、
茶葉の発色をよくするためのもの
などなど、
師匠たちはお茶の樹の状態を見て適した肥料を見極め、適した時期に与えていくのです。
新米の僕ではまだまだ判断が難しいのですが、そうした判断力も少しずつ習得していきたいものです。
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